約3TB規模のTiDBをAmazon Aurora MySQLへ移行
約3TB規模のTiDB環境を、Amazon Aurora MySQLへ移行した事例です。MySQL互換であることと、無検証で移せることは別だという前提から始まります。
TiDBは分散データベースで、Aurora MySQLはMySQL互換のクラウドデータベースです。どちらもMySQLのプロトコルを話しますが、内部構造と運用方式は異なります。GIIPは約3TB規模のTiDB環境を、スキーマ・データ・クエリ・運用方式を確認しながらAmazon Aurora MySQLへ移行した経験があります。
事例概要
| 移行元DB | TiDB |
|---|---|
| データ規模 | 約3TB |
| 移行先 | Amazon Aurora MySQL |
| 主な課題 | 互換性・スキーマ・SQL・運用方式の検証 |
| 公開制限 | 顧客名・業務データ非公開 |
本ページに記載した規模はGIIPの実務経験に基づきます。守秘義務およびセキュリティ上の理由から、顧客名とシステム固有情報は公開していません。
この事例で確認できる事実
- GIIPは、約3TB規模のTiDB環境をAmazon Aurora MySQLへ移行した経験があります。
- 分散データベースとMySQL互換クラウドデータベースの差異を確認しながら、スキーマ・データ・クエリ・運用方式を移行しました。
- 移行後のAurora MySQLの監視・運用もGIIPが継続して担当できます。
TiDBとAurora MySQLの構造的な違い
TiDBは、データを複数ノードに分散して保持する分散SQLデータベースです。Aurora MySQLは、ストレージ層を共有する単一クラスタ構成のMySQL互換データベースです。スケールの考え方が異なるため、同じSQLでも実行計画・スループット特性・ロック挙動の前提が変わります。
したがって移行は「接続先を変えるだけ」では終わりません。分散前提で設計されたテーブル分割やアクセスパターンが、単一クラスタでも同じ形でよいかを判断する工程が入ります。
MySQL互換でも無検証では移せない
- スキーマ: 主キー・インデックス設計が分散前提のままでよいかを確認します。
- データ型: 型の扱いや精度の差異が、移行後の値に影響しないかを確認します。
- SQL: 実行計画が変わることで、これまで問題にならなかったクエリが重くなることがあります。
- トランザクション: 分離レベルとロックの挙動の前提が異なります。
- バッチ処理: 大量更新・大量削除の負荷特性が変わるため、既存バッチの再確認が必要です。
- 運用方式: バックアップ、フェイルオーバー、スケール操作の手順がそのまま流用できません。
データ規模
対象は約3TB規模のTiDB環境です。この規模になると、移行手段の選定(論理ダンプか、レプリケーションを使うか)と、検証にかけられる時間の設計が同時に論点になります。
本事例について、移行に要した時間、停止時間、移行後の性能変化、コスト変化は測定値として確認されていないため、本ページには記載していません。
移行後のAurora運用
GIIPは移行後のAurora MySQLの監視・運用まで継続します。現在も複数のAmazon Aurora MySQLを含むクラウドデータベースと約30のWebサービスを、AIエージェントと人間の専門家が継続的に監視しています。
異常検知で終わらせず、状況分析、承認済み手順に沿った一次対応、報告、必要に応じた人間の専門家へのエスカレーションまで行います。
TiDB → Aurora MySQL 移行で確認が必要な代表項目
以下は、TiDBからAurora MySQLへ移行する際に確認が必要となる代表項目です。すべてが本事例で使用されたという意味ではありません。
- 01スキーマ定義(主キー・自動採番・インデックス設計)の差異
- 02データ型と文字コード、照合順序の差異
- 03SQLの実行計画の変化と、それに伴うスロークエリの発生
- 04トランザクション分離レベルとロック挙動の前提差
- 05大量更新・大量削除バッチの負荷特性
- 06接続数・コネクションプールの設計
- 07レプリケーション・フェイルオーバー時の挙動
- 08バックアップとリストアの手順
- 09監視項目(Aurora固有のメトリクス)の再定義
- 10移行前後のデータ件数・整合性の突合手順
このリストは一般的な技術説明です。実際に必要な項目は環境ごとに異なり、本事例で実施した内容の全量を示すものではありません。
よくあるご質問
TiDBはMySQL互換なので、そのままAuroraへ移せますか。
プロトコル互換であることと、同じ挙動をすることは別です。スキーマ、データ型、SQLの実行計画、トランザクション、バッチ処理、運用手順のそれぞれを確認する必要があります。
移行にどのくらい時間がかかりますか。停止時間は。
データ量、許容できる停止時間、検証にかけられる期間によって変わります。本事例について測定された所要時間・停止時間は確認されていないため、数値としてはお伝えしていません。
移行によって性能は上がりますか。
本事例では、移行後の性能変化を測定値として確認していないため、性能が向上したとは記載していません。性能はワークロードとクエリの性質に依存します。現行のクエリ特性を確認したうえでご説明します。
3TB規模でも対応できますか。
GIIPは約3TB規模のTiDB環境をAmazon Aurora MySQLへ移行した経験があります。より大きな規模については、現行構成を確認したうえで可否をお答えします。
GIIP データベース・クラウド運用チーム
大規模Webサービス、SQL Server、Oracle、AWS、Azureの設計・移行・運用に従事。x12largeクラスのAWS RDS for SQL Server環境12セット、約12万テーブルのOracle環境、約3TBのTiDBからAurora MySQLへの移行を経験。現在も複数のクラウドデータベースと約30のWebサービスをAIエージェントとともに監視・運用している。
- 初回公開日
- 最終更新日
本ページでは、GIIPが実際に経験した内容と、一般的な技術説明・確認項目を明確に分けて記載しています。チェックリストなど一般的な説明として記載した項目は、本事例で必ず実施したという意味ではありません。
守秘義務およびセキュリティ上の理由から、顧客名・システム固有情報・業務データの内容は公開していません。規模を示す数値のみをGIIPの実務経験に基づいて記載しています。
運営会社: GIIP Co., Ltd.(日本オペレーション: SHINSEMA株式会社) / お問い合わせ: contact@littleworld.net
他の移行事例
データベース移行・運用の関連ページ
分散データベースからの移行可否を確認する
現在のデータ規模、テーブル構成、バッチ処理の有無、許容できる停止時間をお知らせください。検証すべき論点を整理してご回答します。