使い方ガイド
LLMコスト計算機の使い方ガイド
LLM API費用比較・GPU構成シミュレーターは、現在利用中のLLM APIの月額費用を入力するだけで、代替APIモデルや自社GPU構築との比較試算ができる無料ツールです。 このガイドでは、費用構造の基本的な考え方から、実際の入力手順、結果の読み方、コスト最適化のポイントまでを順番に説明します。
1. LLMの費用構造を理解する
LLM APIの費用は、主に「入力トークン単価」と「出力トークン単価」の掛け算で決まります。多くの事業者は入力より出力の単価を高く設定しており、 さらにキャッシュ対応した入力は通常の入力より安く提供される場合があります。同じ「月間◯円」という費用でも、入力と出力の比率(入力:出力トークン比率)や 会話1回あたりのやり取りの長さによって、実際のトークン使用量は大きく変わります。
もう一つの重要な要素が「コンテキスト長(Context Length)」です。長い会話履歴や大きなドキュメントをそのまま毎回モデルに渡す構成では、 入力トークンが積み上がりやすく、費用への影響も大きくなります。本ツールの計算結果には、モデルごとのコンテキスト長も比較項目として表示されます。
モデルの性能指数や単価データの出典は、ツール内の「モデル性能指数の出典」欄に記載されている artificialanalysis.ai および gpucost.org です。
2. 計算機の使い方 — ステップバイステップ
現在利用中のAPI事業者とモデルを選ぶ
「現在のAPI事業者」プルダウンで利用中の事業者(OpenAI・Google・Anthropicなど)を選ぶと、「現在のモデル」プルダウンにその事業者のモデル一覧が連動して表示されます。ここで選んだモデルが、比較のベースラインになります。
現在の月額API費用と通貨を入力する
毎月支払っているAPI費用の金額と通貨(JPY・KRW・USD・CNY・EUR)を入力します。この金額と選択中モデルの公式単価・入力:出力トークン比率から、月間のトークン使用量が自動で逆算されます。
用途を選ぶ
「利用目的」で、通常のチャット・カスタマーサポート・AIエージェント・コーディングエージェント・RAG文書検索・翻訳・要約・分類・画像認識・音声動画・その他から実際の使い方に近いものを選びます。用途ごとに入力:出力トークン比率の初期値が自動設定されます。
使用量の入力方法を選ぶ
「使用量の入力方法」は3種類です。①費用から自動推定(月額費用だけで概算)、②実際のトークン数を入力(より正確)、③請求データを入力、のいずれかを選びます。②③を選んだ場合は、月間の入力・出力トークン数(百万単位)を追加で入力します。
入力:出力トークン比率とピーク倍率を確認する
「入力:出力トークン比率」は用途選択で自動設定されますが、実際の利用実態に合わせて手動でも調整できます。「ピーク時間帯の倍率」は、自社GPU構築時に必要なGPU枚数を算出するための繁忙期係数です(初期値3倍)。
「現在のコストから最適な移行先を計算する」を押す
ボタンを押すと、現在の月額費用・最安の代替APIモデルとその削減率・推奨される自社GPU構成とその月額費用・5年間の最大削減額が上部サマリーに表示されます。下にスクロールすると、API代替モデルの推奨3案、自社GPU構築の詳細(GPU種類・枚数・投資回収期間など)、現行モデルを維持したままの費用最適化案が続けて表示されます。
3. 費用最適化のコツ3つ
モデルを乗り換えなくても、使い方の工夫だけで費用を抑えられる場合があります。計算機の結果画面にある 「現在のモデルを維持したまま費用を抑える方法」セクションでも、該当する最適化案が推定削減幅つきで表示されます。
1. キャッシュ入力(Cached Input)を使う
システムプロンプトや長いコンテキストなど、繰り返し送っている入力をキャッシュ対応させると、入力トークンの単価を下げられます。同じ前提条件を毎回丸ごと送っているワークロードほど効果が出やすい方法です。計算機の「現在のモデルを維持したまま費用を抑える方法」セクションでも、該当する場合は削減幅の目安とあわせて提案されます。
2. 即時応答が不要な処理はBatch APIに回す
リアルタイムの応答を必要としないバッチ処理(夜間集計、大量データの分類・要約など)は、Batch API対応の事業者であれば単価が下がることが多くあります。ユーザーを待たせない裏側の処理から優先的に切り出すのが現実的です。
3. リクエストの難易度に応じてモデルを使い分ける
分類・要約・簡単な応答分岐のような単純なリクエストは、同じ事業者の下位(軽量)モデルに振り分け、複雑な推論やコーディングなど本当に高性能モデルが必要な処理だけ現行モデルに残す、という使い分けです。計算機の用途選択やモデル比較結果は、この振り分けの判断材料としても使えます。
よくある質問
計算結果は、月々のAPI費用をリアルタイムに監視してくれますか?
いいえ。本ツールは入力した時点の費用・利用量をもとに試算する計算機であり、継続的な監視ダッシュボードではありません。費用の推移を追いたい場合は、①各API事業者の請求ダッシュボードで実際の請求データを確認し、②その数値を「使用量の入力方法: 請求データを入力」で本ツールに反映して定期的(例: 月次)に再計算する、という運用をおすすめします。
自社に合わせた見積もりが欲しい場合はどうすればよいですか?
計算機は公開情報に基づく一般的な試算です。実際のワークロード構成、データ保存地域、既存インフラとの統合など、自社固有の条件を踏まえた見積もりが必要な場合は、お問い合わせからご相談ください。
表示される数値はどこまで正確ですか?
表示される数値はすべて推定です。実際の請求トークン数やベンチマーク結果に基づく実測値ではありません。より正確な比較には、STEP4で「実際のトークン数」または「請求データ」を入力する方法をおすすめします。導入判断の前にはPoC検証も併せて行ってください。
自社GPU構築とAPI利用、どちらが安いかは一律に決まりますか?
いいえ、利用規模によって異なります。小規模・低頻度の利用ではAPIのほうが有利なことが多く、大規模・継続的な利用では自社GPU構築のほうが5年TCOで有利になることがあります。本ツールは両方の条件を同じ前提で試算し、投資回収期間も含めて比較できるようにしています。